歯ぐきにできた白いものは歯肉がん?歯肉がんの特徴や口内炎との違いを解説
2025/06/20

こんにちは、日野市(平山城址公園)の歯医者、SERAデンタルオフィス 平山城址公園駅前歯科です。
歯ぐきに白いできものができると、まず疑うのは口内炎ではないでしょうか。
だからこそ「なんだかちょっと様子が違う…」「一向に良くなる気配がない…」といった場合、ほかの病気なのか、病院へ行くべきなのか、心配や戸惑いを感じるかと思います。
今回は、そんな口内炎と一見間違いやすい歯肉がんについて、その特徴や原因、治療法について解説します。
歯肉がん・口腔がんとは

口腔がんは、口の中に発生するがんの総称です。唇や舌、頬の内側、口蓋(上顎の天井部分)などの軟組織にできることが多く、初期段階でははっきりとした自覚症状がほとんどありません。
しかし、進行すると痛みや出血、斑点やただれといった症状が見られるようになり、転移や組織の変色、急速な増大を伴うこともあります。
歯ぐきに発生する歯肉がんは、特に下顎に多く発生します。
ほかの口腔がんと同様に初期では自覚症状を持ちづらく、進行すると歯ぐきの腫れや痛み、歯の揺れ、出血といった症状が現れるようになります。
そのため、日ごろから歯ぐきの腫れや出血に気を配っておくことで、早期発見がしやすくなります。
歯肉がんの原因
喫煙
歯肉がんの原因としてまず考えられるのが、喫煙です。タバコを吸う方は、喫煙によって口腔内の粘膜が長期間にわたって刺激され続けることで、非喫煙者と比較して口腔がんのリスクが高まります。
健康維持のためにも、喫煙習慣を見直すことが重要です。
飲酒
アルコールとその代謝産物であるアセトアルデヒドは発がん性があります。
そのため、お酒を大量に飲む習慣がある方は口腔がんを誘引しやすくなると考えられています。
慢性的な刺激
口腔内の慢性的な刺激も、歯肉がんを誘引する要因の一つと考えられています。
歯垢や歯石の蓄積、進行した虫歯や合わない入れ歯、壊れたかぶせ物など、長期間にわたって刺激が歯ぐきに与えられると、歯肉がんのリスクが高まります。
歯肉がんの症状
歯肉がんでは、歯ぐきの腫れや出血といった症状が現れます。
これらの症状は、歯周病と勘違いされることが多く見過ごされがちですが、この段階で医療機関を受診しておくことは早期発見・早期治療のために大切です。
また、歯ぐきや歯の違和感、歯のぐらつきや顔の腫れ、口の開けにくさなども歯肉がんによって現れる可能性がある症状です。
これらの症状が見られる場合や長引く場合は、症状の程度に関係なく、早めに歯科医院や口腔外科、耳鼻咽喉科で診察を受けるようにしましょう。
歯肉がんと口内炎の違い

口内炎と歯肉がんは、どのように異なるのでしょうか。
まず口内炎は、口腔内の粘膜に発生する炎症や潰瘍の総称です。
特にアフタ性口内炎が多く見られ、歯磨きや食事中に粘膜が小さく損傷したり、刺激を受けたりして発生します。
ストレスや免疫力の低下、ホルモンバランスの乱れ、栄養不足なども原因となります。通常、赤い斑点や潰瘍が現れ、痛みや違和感を伴いますが、約1週間で自然に治癒します。
一方で、歯肉がんは自然に治ることはなく、初期段階で痛みを感じにくいのが特徴です。
食事中に痛みがある場合は口内炎である可能性が高いといえますが、自己判断は危険です。
また、口腔がんの場合、白板症や紅板症など前がん病変が併発することも多いです。
歯肉がんの治療法

歯肉がんの治療法としては、がんがある部位の歯と歯肉を切除する方法が一般的です。
がんが小さい場合は、周囲の粘膜や人工シートで創部を補い覆います。がんが大きい場合は舌や扁桃腺の一部まで切除が必要になることもあります。
下歯肉がんの場合、顎骨にも浸潤しやすいため、多くの場合において顎骨の切除が必要になります。
この場合、その部分の歯も失われることになり、輪郭の変化や摂食機能の低下などの可能性があります。
また、顎骨の浸潤が深く、より広範な切除を行う場合はあごを再建する手術が必要になります。
歯ぐきに白いできものができるそのほかの原因

歯ぐきに白いできものができる原因は、歯肉がんや口内炎だけではありません。そのほかの原因として代表的な病気が、歯周病です。
歯周病は、歯ぐきやそれを支える骨に炎症が起こる病気です。通常は赤く腫れますが、進行すると白っぽく見えることがあります。
さらに悪化すると、痛みや出血を伴うようになります。

また、フィステルも歯ぐきに白いできものが形成される病気です。
フィステルは、歯根付近に形成される白い小さな膿の袋のことです。主に歯周病や根尖性歯周炎が原因で、放置すると症状が悪化する恐れがあります。
もう一つ考えられるのが、骨隆起です。これはあごの骨が盛り上がり、歯ぐきが薄くなった結果、表面に白く浮き出て見える状態です。
骨隆起は健康に直接の影響を与えるものではありませんが、見た目やかみ合わせに支障が出る可能性もあるため、放置せず早めに医療機関を受診しましょう。
そのほか、白板症も口腔内の粘膜が白く厚くなる病気です。
喫煙や口腔内の刺激が原因の一つとして考えられており、前がん病変の一つとして知られています。
さらに、扁平苔癬や口腔カンジダ症も白いできものの原因となります。
扁平苔癬は慢性的な炎症性疾患で、痛みやしみる症状が見られますが、無症状の場合もあります。
口腔カンジダ症はカンジダ菌の増殖による感染症で、健康な人ではあまり見られませんが、免疫が低下した際には発症しやすくなります。
最後に、ヘルペスや手足口病、ヘルパンギーナなどのウイルス感染症も、口内に白いできものができる原因の一つです。
このように、歯ぐきに白いできものが現れる原因は、さまざまです。そのため、自己判断を避け、歯科医師・医師による診断を受けることが重要です。
まとめ
歯ぐきに白いできものが現れる原因はさまざまですが、特に歯肉がんに関しては放置せずに早めに対処することが重要です。
歯肉がんは、たばこやお酒を控えること、栄養バランスの取れた食事をとること、口腔内の衛生環境を維持することなどが予防につながります。
生活習慣の見直しや定期的な歯科検診を受けることで、口腔内の健康を維持し、リスクを低減するようにしましょう。
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