舌が痛いのは舌痛症?考えられる原因や治療法を解説
2025/07/20

こんにちは、日野市(平山城址公園)の歯医者、SERAデンタルオフィス 平山城址公園駅前歯科です。
やけどや口内炎でもないのに「舌がひりひりと痛む」「舌が腫れているように感じる」といった場合、どのような原因を頭に思い浮かべるでしょうか。
舌の痛みにはさまざまな原因があり、もし舌自体には異常が見つからないのに痛みを感じる場合、それは「舌痛症」と診断されます。
今回は、舌の痛みの原因や舌痛症の症状、治療法について解説します。
舌が痛い場合に考えられる原因
舌痛症

「舌痛症」は、中年以降の女性に多く見られる、目立った異常が見つからないにもかかわらず舌に痛みを感じる状態です。
痛みは「ヒリヒリ」や「ピリピリ」と称されることが多く、舌や口全体に現れます。
また、この痛みは睡眠中や会話中、食事中には和らぎ、それ以外の時間には悪化するのが一般的です。
明確な原因はまだ特定されていませんが、ストレスや不安など心理的な要因と関連していると考えられています。
口内炎

舌に痛みを感じる理由として一般的なのが口内炎です。
中でも「アフタ性口内炎」は、疲れやストレス、粘膜の傷などが原因となって舌や口内に白い小さな潰瘍ができる口内炎であり、多くの方が経験します。
そのほか、カビの一種であるカンジダ菌によって引き起こされる「カンジダ性口内炎」など、口内炎にはいくつかの種類がありますが、基本的にはストレス解消や休息を心がけながら、口内の清潔を保つことが予防につながります。
舌がん

舌の痛みが長引く場合、舌がんの可能性も考えられます。
特に、舌の縁に硬い潰瘍ができて、なかなか治らない場合には、早めに歯科口腔外科で診断を受けるようにしましょう。
舌がんの治療にはいくつかの選択肢があり、患者さんの状態やがんの進行度に応じて選択されます。
そのうちの一つである手術は、がんがある部分を切除することでがん細胞を取り除くことを目的に行われます。
会話や飲食といった舌の機能の低下を補うため、取り除いた部分を再建する「再建手術」が行われることもあります。
放射線治療は、高エネルギーの放射線を直接がん細胞に照射し、細胞を破壊して消滅させることを目指す治療法です。
体の内側から放射線をあてる「内部照射(密封小線源治療)」と、体の外側から放射線をあてる「外部照射」の二つの方法があります。
再発や遠隔転移が見られる場合など、手術や放射線治療が適さないケースでは、薬物療法が主に用いられます。
薬物療法に使用される薬剤には、細胞障害性抗がん薬、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬があります。
鉄欠乏性貧血
鉄欠乏性貧血が、舌の痛みに影響していることもあります。
これは特に中年以降の女性に多く見られ、舌や口が乾燥したりヒリヒリしたりします。
鉄分をしっかりと摂取することで、症状が和らぐケースもあります。
口腔カンジダ症
口の中の常在菌であるカンジダ菌が免疫力の低下や疲労などによって増殖すると、口腔カンジダ症を発症するリスクが高まります。
舌が赤くツルツルになる、舌がひりひりと痛む、口の中に白い苔のようなものが付着する、唇や口内が乾燥して荒れるなどが、その症状です。
治療には抗真菌薬を用い、口腔内の清潔を保つことで改善を図ります。また、生活習慣の改善や休息をとることも大切です。
歯や補綴物による刺激
入れ歯やかぶせ物、歯が舌に当たることで、舌の表面が傷つき痛みを引き起こすことがあります。
痛みの原因がこのような物理的な刺激の場合には、入れ歯を作り直したり、かぶせ物やブリッジといった補綴物を調整したりする必要があります。
ドライマウス

口内の乾燥によって舌に痛みや不快感を覚える状態を「ドライマウス」と呼びます。
唾液の分泌が減少することで起こり、特に高齢者や唾液腺の機能が低下した人に多く見られます。
アルコールやカフェインの摂取を控え、十分な水分をとり、口呼吸を控えることが、予防・緩和のために大切です。
舌痛症の痛みの特徴
舌痛症による痛みは起床時から始まり就寝時まで続くものの、会話や食事中には痛みが軽減するという特徴があります。
不安やうつ症状を伴うことが多く、心理的ストレスが痛みを増悪させるトリガーとなることもあります。
痛みは持続性で、舌の先端や側面に特に感じられ、ヒリヒリやズキズキと表現されます。
舌痛症になりやすい人
舌痛症は、特に更年期以降の女性に多く発症します。
過去に歯科治療の経験がある方、食生活が乱れている方、ストレスを抱えている方に多く発症する傾向がありますが、明確な原因はわかっていません。ホルモンバランスが乱れている方や栄養不足の方がなりやすいという説もあります。
舌痛症の検査
舌痛症の診断には、ほかの疾患の可能性を除外するための検査が必要です。
そのため、血液検査により、内分泌の異常や栄養欠乏、貧血の有無を調べるのが一般的です。
そのほか、カウンセリングや視診、レントゲン撮影、細菌検査などにより、ほかの病気との鑑別がなされます。
カウンセリングでは、痛みを感じるようになった時期や考えられるきっかけ、痛みの種類や程度についての問診が行われます。
舌痛症の治療法
検査にて舌痛症だと診断された場合、一般的な診療を行う歯科医院では治療をすることが難しいため、歯科口腔外科や耳鼻咽喉科、ペインクリニックなどで治療を行うことになります。治療には抗うつ薬が主に使われます。
「抗うつ薬を使う」と聞くと、舌痛症は精神的な症状なのかと思われがちですが、抗うつ薬は腰痛などの慢性疼痛や片頭痛の治療にも用いられている薬です。
そのため、痛みの緩和を目的として処方されます。
また、生活習慣に関する指導が行われることもあります。
生活習慣指導では、主にストレスとうまく付き合っていく方法や栄養バランスの取れた食事をとること、休息や睡眠を十分にとること、舌痛症との付き合い方などについてのアドバイスが行われます。
また、これらの生活習慣改善は、舌痛症を予防することにもつながると考えられています。
まとめ
舌痛症によるヒリヒリとした舌の痛みは、日常生活に支障をきたすこともあります。
慢性的であることも多いため、痛みをうまくコントロールし、できる限り日常生活に支障が出ないよう付き合っていくことが大切です。
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